給与計算の今昔
給与計算は、今でも必要なソフトウェアですが、現代ではあまり使われない機能もあります。
現金支給の会社には喜ばれると思いますが、給与は現金振込が一般的なので、
ご存じない人もいるかと思います。
若い開発者はあまり知らないと思います。知ってるのは現金支給の時代の人たちか現金支給の会社のシステムを手掛けた人だと思います。
「金種計算」
昔は現金支給が主だったため、給料日前には社員ひとりひとりの給与袋にお金を詰めていました。
そこで、1万円札、5千円札、千円札、5百円札(昭和57年からは500円硬貨 )、100円硬貨 、50円硬貨 、10円硬貨 、5円硬貨 、1円硬貨 がそれぞれ何枚必要かを把握しなければなりません。これを各社員の支給額に合わせて人手で行うと膨大な時間が掛かります。そのため、給与計算システムには必ずと言っていいほど金種計算の機能が組み込まれていました。

Aさんの支給額が\245,102.ならば、
それぞれの紙幣、硬貨の枚数を算出します。
・1万円札:24枚、5千円札:1枚
・100円硬貨:1枚、1円硬貨:2枚
この作業をすべての社員分に対して行い、
紙幣や硬貨の枚数を把握し、銀行から必要な紙幣と硬貨をおろしてきて、給与袋に給与明細と共に封入します。

現代では、すべて銀行振込ですので経理部門もこの点に関しては楽になったことと思います。
残業が多かった月は、給料袋が厚くなっていてうれしかった記憶があります。
ただし現金支給の良くない点は、給料日に飲みに行って使い過ぎたり、酔っ払って寝ている間に抜き取られたりといった悪い面もあります。
昔の旦那(大黒柱)は、給料袋をそのまま奥さんに渡すひとと、自分の使う分を抜いて渡す人の2種類でした。銀行振込になって、嫁さんがATMを使って給与すべてを把握され、夫の小遣いを嫁さんから受け取るのは寂しいと思っていました。
今後は、銀行口座を通さずにカードやスマホの決済アプリなどに送金するなど新しい試みが進められ、キャッシュレス化の時代に進んでいくのでしょうね。